大切なピアノを移動するとなると、「いったいいくらかかるの?」「どこに頼めば安全に運んでくれるの?」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、ピアノの運搬費用は「ピアノの種類」「移動距離」「階段やクレーン作業の有無」によって大きく変わってきます。
さらに、引っ越し会社に家財と一緒に頼むか、ピアノ専門業者へ直接依頼するかで、手間や安心感にも違いが出ます。
事前に料金の決まり方や確認すべきポイントを知っておけば、余計な追加費用を避けつつ、大切なピアノを安心して任せられる業者を選ぶことができますよ。
この記事では、以下のポイントをわかりやすく整理してお伝えします。
- ピアノの種類や距離で変わる料金の目安
- 専門業者と引っ越し業者の違いと選び方
- 室内移動・保管・調律まで含めた費用感
- 追加料金や搬入トラブルを避ける確認ポイント
ピアノ移動を業者に依頼する際の料金相場

ピアノの移動費用は、「基本運賃+特殊作業費」の合計で決まることが一般的です。
基本運賃はピアノの種類と移動する距離で計算され、特殊作業費は階段の有無、クレーンや手吊り作業の必要性、搬入経路の複雑さなどによって加算されていきます。
サカイ引越センターの公式FAQでも、料金はピアノの種類や階数、作業状況、移動距離によって変動すると案内されています。
距離や種類で変わる業者と料金

専門業者の公開情報をもとに、1階から1階への平坦な搬出入を前提とした基本料金の目安をまとめました。
| 移動距離の目安 | アップライトピアノ | グランドピアノ | 電子ピアノ・エレクトーン |
|---|---|---|---|
| 近隣(~10km) | 約15,000円~25,000円 | 約28,000円~50,000円 | 約13,000円~ |
| 同一都道府県内(~50km) | 約20,000円~35,000円 | 約30,000円~70,000円 | 約15,000円~ |
| 近隣県まで(~100~200km) | 約25,000円~60,000円 | 約55,000円~100,000円 | 要見積もり |
※料金は依頼地域、時期、階段作業やクレーン作業の有無によって変動します。正式な金額は必ず各社に見積もりを依頼して確認してください。
アップライトピアノの運搬費用

家庭に置かれることの多いアップライトピアノですが、ヤマハの公式情報によれば重量は194kg~278kg程度もあります。
一見コンパクトに見えても非常に重いため、「大人2人いれば何とかなるだろう」と安易に考えないほうが安全です。
搬入経路が狭い場合は、窓やベランダからの搬入、あるいはクレーン作業が必要になるケースも珍しくありません。
室内移動を頼む業者と料金の目安
同じ家の中での移動でも、専門業者に依頼すれば費用は発生します。
専門業者の公開料金を見ると、同じ部屋の中での移動が13,000円~、別室や敷地内への移動が15,000円~といった設定が一般的です。
距離が短くても、床や壁を傷つけないための養生、適切な人員の確保が必要になるからです。
「ほんの少し動かすだけ」であっても、重量物としての扱いは変わらないという点を覚えておきましょう。
室内移動を自分で行う危険性
少しの移動なら自分で動かそうと考えるかもしれませんが、けがやピアノ破損のリスクが非常に高くなります。
ヤマハ公式の案内では、アップライトピアノは194kg~278kg、グランドピアノに至っては261kg~415kgもの重さがあるとされています。
さらに、搬入時にはピアノ本体の寸法に加え、約10cm程度の余裕と作業スペースが必要です。
キャスターが付いていても安全に押して運べるとは限らず、床を深く傷つけてしまったり、転倒事故に繋がったりする恐れがあります。
ピアノ運搬と調律にかかる費用相場

ピアノは移動させると音程やタッチに微妙な変化が出ることがあるため、引っ越しとあわせて調律も計画しておくと安心です。
ヤマハピアノサービスでは、一般的なご家庭であれば年に最低1回程度の調律を推奨しています。
2024年10月以降の基本料金は、ヤマハアップライトピアノで17,600円(税込)、ヤマハグランドピアノで21,450円(税込)と案内されています。
これに加えて、出張費や追加の調整費がかかる場合もあります。
また、移動直後にすぐ調律するのではなく、新しい環境の温度や湿度にピアノをなじませてから行うことを勧める業者も多いです。
目安としては、設置してから1週間~10日ほど様子を見るとよいでしょう。
ピアノ移動の業者選びと料金を抑えるコツ

料金の安さだけで業者を決めてしまうと、当日に予期せぬ追加費用を請求されたり、搬入トラブルが起きたりすることがあります。
業者を比較する前に、以下の情報をメモしておくとスムーズに見積もりをとることができますよ。
- ピアノのメーカー名・型番・種類
- 搬出元と搬入先の階数
- エレベーターの有無とサイズ
- 玄関・廊下・階段・窓の幅
- 外階段やクレーン作業の必要性
- 希望日が平日か、土日祝か
引っ越しでピアノだけ運ぶ場合
家財一式の引っ越しとは別に、ピアノだけを別の場所へ移動したいケースもありますよね。
この場合、ピアノ専門業者へ直接依頼するか、引っ越し会社のオプションサービスを利用するかの2つの方法があります。
引っ越し会社を利用すれば窓口をひとつにまとめられるメリットがありますが、実際の作業は提携している専門業者が行うことも少なくありません。
サカイ引越センターでも、ピアノの輸送は専門スタッフや提携業者が対応する旨を案内しています。
家全体の引っ越しと同じタイミングなら手間が省けますが、ピアノ単体の移動であれば、最初から専門業者へ直接相談したほうが細かな条件をすり合わせやすい傾向があります。
ピアノの引越しと保管サービス

家の建て替えや、退去日と新居の入居日にズレが生じる場合、ピアノを一時的に預かってくれる空調管理付きの倉庫サービスが便利です。
保管料は業者によって差がありますが、月額4,500円~、6,765円(税込)~、8,800円~といった料金設定が見受けられます。
ただし、保管料とは別に倉庫までの往復の運送料や入出庫料が加算されることが多いため、月額の保管料だけで安易に比較しないことが大切です。
ピアノの海外引越しと費用の相場
海外へピアノを運ぶ場合は、国内での移動に比べて確認すべき事項が一気に増えます。
特に注意したいのが、古いピアノの鍵盤に象牙が使われていたり、装飾にべっ甲などの素材が使われていたりする場合です。
これらはワシントン条約の規制対象となる可能性があります。
経済産業省は条約附属書に掲載された種を使った楽器の移動には「楽器証明書制度」があることを案内しており、環境省も象牙製品の輸出入は原則禁止で、例外として持ち出すには厳格な証明と審査が必要だと明記しています。
海外へ持ち出す予定があるなら、トラブルを防ぐためにも早い段階で国際輸送会社と公的機関の双方に確認をとりましょう。
ピアノ配送におけるヤマトの料金
現在、ヤマトグループでピアノや楽器の専門輸送を手がけているのは、アートセッティングデリバリー(旧ヤマトホームコンビニエンス)です。
公式サイトでは「ピアノ・楽器の専門輸送」として見積もりを受け付けています。
料金は一律の定額表ではなく、移動条件に応じた個別見積もりが基本となっています。
以前の「ヤマトホームコンビニエンス」という社名で検索すると最新情報が見つけにくいことがあるため、現在の窓口名で確認するようにしてください。
ピアノ引越しでのサカイの対応
サカイ引越センターでは、便利なオプションサービスとしてピアノの輸送やメンテナンスを提供しています。
公式FAQによると、ピアノの種類、建物の階数、階段・エレベーター・クレーン作業の有無などを伝えれば見積もりが可能とのことです。
家全体の引っ越しと同時に依頼できる手軽さがある一方で、作業の詳しい条件や日時は営業所や提携先の専門業者を交えて確認することになります。
「引っ越しの手続きをあちこちに分散させず、ひとつの窓口で完結させたい」という方には非常に使いやすい選択肢です。
ピアノの引越しでのヤマハの対応
「せっかくなら信頼できるメーカーに頼みたい」と、ヤマハ関連のサービスを選ぶ方も多いでしょう。
しかし、ヤマハピアノサービスの公式Q&Aを確認すると、同社で運搬のみのサービスは直接行っておらず、信頼できるピアノ運送業者を紹介する形での対応になると案内されています。
ヤマハ製ピアノの調律や修理の相談もあわせて行いたい場合にはとても相性が良いですが、実際の運送作業や日程調整は紹介された業者と直接やり取りすることになる点は覚えておきましょう。
ピアノ運送のおすすめ企業と選び方

最終的に業者を比較して選ぶ際は、単純な「最安値」だけでなく、以下の3つのポイントをチェックすると失敗を防げます。
- 搬出と搬入の経路条件を、事前に細かくヒアリングしてくれるか。
- 運送だけでなく、調律・保管・修理といった周辺サービスも相談できるか。
- 見積もり後、当日になって追加料金が発生する条件が明確に示されているか。
ピアノの移動は、当日の搬入経路の状況によって費用が大きく変動しやすいものです。
そのため、電話だけで簡単に「〇〇円です」と即答する業者よりも、現場の条件や状況を丁寧に確認してくれる業者のほうが、結果的に安心して任せられる傾向にあります。
ピアノ移動の業者と料金に関するよくある質問
- ピアノ移動の料金は何で大きく変わる?
ピアノの種類、移動距離、階数、階段やクレーン作業の有無によって料金が大きく変わります。特に搬入経路が狭く特殊な作業が必要な場合は、追加費用が発生しやすくなります。
- 室内移動だけでも業者に頼んだほうがいい?
安全面を最優先に考え、専門業者へ依頼することを強くおすすめします。短距離の移動であってもピアノは200kg前後の重量があり、床や壁を破損させたり、転倒して大けがに繋がるリスクがあります。
- 調律は引っ越し後すぐ必要?
移動直後ではなく、新しい環境に設置してしばらく期間を置いてから調律を依頼するのが一般的です。目安として、設置から1週間~10日ほど経ってからの調律を推奨する業者が多いです。
- 引っ越し会社と専門業者はどちらがいい?
家財一式の引っ越しと窓口をまとめたい場合は引っ越し会社、ピアノ単体の移動や搬入経路が複雑で不安な場合は専門業者が向いています。ご自身の状況や重視するポイントに合わせて使い分けるのがよいでしょう。
- 古いピアノを海外に送るときの注意点は?
鍵盤などに象牙などの素材が使われている場合、ワシントン条約に基づく輸出入規制の確認が必須となります。国際輸送会社に相談するだけでなく、経済産業省や環境省の公式案内も事前にしっかりと確認して手続きを進めてください。
ピアノ移動の業者と料金まとめ
ピアノの移動にかかる費用は決して一律ではなく、ピアノの種類や移動する距離、そして搬出入の条件によって大きく決まります。
とくに、アップライトピアノかグランドピアノか、階段での手作業があるか、クレーンによる吊り上げが必要になるかで、最終的な総額には大きな差が生まれます。
そのため、見積もりを依頼する段階で、ピアノのメーカー名・型番・建物の階数・エレベーターの有無・廊下やドアの幅などを、できる限り正確に伝えることが何よりも大切です。
事前の情報が正確であればあるほど、当日の予期せぬ追加料金の発生を防ぐことができます。
また、家全体の引っ越しと一緒に手軽に済ませたい場合は引っ越し会社が便利ですが、ピアノ単体を安全に運びたい、あるいは搬入が難しそうで不安だという場合は、専門知識を持ったピアノ運送業者を選ぶのがおすすめです。
どこに依頼すべきか迷ったときは、最初から1社に絞らず、2〜3社から見積もりをとってみてください。
大切なピアノを新しい環境へ無事に迎えるためには、料金の安さだけでなく、事前の確認の丁寧さや追加料金に関する説明の明確さも含めて総合的に判断することが、後悔しない業者選びの最大のポイントです。







